ロイオス教会の壁一面に広がるアズレージョ
エヴォラの歴史は深く、1986年にエヴォラ歴史地区として世界遺産に登録されているため町自体に重みがあり、この町はどこを見ていたも雰囲気があります。パリはよく町自体が美術館なんて言われますが、ここエヴォラも密かに町自体が博物館と言われているほど。
そんなエヴォラで私たちがとっても気になった場所が、小さくてそこまで有名ではないロイオス修道院&教会。有名なディアナ神殿の目の前にあるのですが、小さいため行かずに帰ってしまう人も多いかもしれません。
そんな場所のどこか良いかと言うと・・・ここの教会のアズレージョが傑作なのです。
1485年にジョアン2世の指示によって建てられた教会で、15世紀には完成していたそうですが、その後のあの大地震などの影響で教会のほとんどの部分がダメージを受けてしまい18世紀に入ってから建て直されたようなので、このアズレージョは18世紀のものと見做して良いのでしょうか。ファザードの部分だけは無事残ったそうです。
横には昔の修道院を改装して作られたホテル(ポウザーダ)が隣接されて建っているので、お食事などもテラスで出来るようになっています。
教会の中は一面がアズレージョ!あのポルトのサンベント駅も感動しましたが、ここの迫力もスゴイ。それに今ではサンベント駅は超有名駅なので、数年前とは違い人がごった返してして、スリなどにも気をつけながらアズレージョを見なければなりませんが、ここはほぼ独り占めです。
美しい。アズレージョを描いたのはアントニオ・オリヴェイラ・ベルナーデシュ。公爵家専用の礼拝堂だったので、小さいながらにかなり豪華に装飾されています。ゴールドの使い方もさすが。かなり派手ではありますが、このアズレージョがバランスを取ってくれていて決して嫌らしい感じはしません。ポルトガルの伝統タイルがカラフルではなくて、青と白だけで彩られているのが、また日本人の美的センスとマッチしますね。
そして気になるのが、この絵が何を表しているのか・・・
建て直された時の18世紀に起きていたことなのかな?と最初は思ったのですが、どうやらローマ皇帝の迫害に遭い、殉教したセントローレンスの人生が描かれているようでした。エヴォラはローマ、イスラム、キリスト教の建築物が一緒にある町なので、ここでもその時代の背景が垣間見れたような気分になりました。
後ろにはパイプオルガンもあります。
アズレージョばかりに見とれていると、足元にいきなり小さな人骨堂が登場!!!ここにもあるのか!と少しヒヤっとしました。
人骨は見るたびにドキッとしてしまいます。日本では見ることもないので・・・
とにかくいろいろな時代と様式が違った建築物が至る場所にあり、町自体に見る場所がたくさんあるエヴォラではこのロイオス教会はスルーされる確実も高い場所ではありますが、アズレージョ好きな方は是非足を運んで見てください。
私たちも次にエヴォラに行くときはここの横の元修道院のポウザーダに泊まってみようかなと思っています。
ロイオス教会&修道院、エヴォラのオススメスポットです。