ローザ家のポルトガル食卓
今日は久しぶりに友人のお宅のポルトガルの食卓を紹介したいと思います。
ポルトガルは食文化が色濃く、美味しいレストランもたくさんあるとここの記事でもよく説明していますが、友人の家に招いてもらって食べるディナーはいつも格別です。
本日お見せするのは友人ROSAS家の食卓。ポルトに住んでいる一家が招いてくれた時のディナーです。見ての通りデコレーションは至ってシンプル。お客さんが来るからと言ってそこまで豪勢に出迎える訳でもなく、いつもの飾らないスタイルで暖かく呼んでくれるのがポルトガルスタイルです。
フランスにいた時などは思わず「ワォ」と言ってしまうほど豪勢なテーブルによく招待されたものですが、クリスマスなどのイベント時は別として、ポルトガルでは普段友人などを招いて食べるディナーはこんな感じでシンプルに装飾されていることが多いです。
テーブルセッティングとしては、普段はテーブルの上は綺麗にしてあり何も置いてなくて、真ん中にカゴなどがありフルーツが置いてある家をよく見かけます。
そして御飯時になると机に置いてあったフルーツのカゴなどをどかし、テーブルクロスを敷いてご飯の準備を始める。日本だと割と、テーブルクロスは一日中敷きっぱなしの家庭も多いと思いますが、ポルトガルはご飯毎にテーブルクロスを出してきて敷くスタイルが主流です。
それでは早速どんなお料理を作ってくれたか見てみましょう!最初は定番のオリーブやチーズなどで雑談をしていると、まずはえびのガーリックとコリアンダー炒め、アサリのコリアンダーとオリーブオイル炒めが出てきました。
これは日本でいうアサリの酒蒸しっぽく、思いっきり日本料理に感じる一品ですが、ポルトガルでもこの料理はAmêijoas à Bulhão Pato ( ブリャオンパト )と呼ばれる伝統的料理です。決して私たちが来たから日本食を作ってくれた訳ではありませんよ!
毎回こんなことを言っている気もしますが、ヨーロッパの果てにまで来て日本食に似たものに次々と出会うのは本当に面白いです。
次はバジルとトマトのサラダにミートローフ。サラダはトマトにほんの少しの塩とバジルがかけてあるだけのスーパーシンプルなものですが、ポルトガルのトマトは太陽が燦々と降り注ぐ中育てられているので真っ赤で甘みもあり、とても美味しいのです!
ミートローフはドイツやオランダなどの伝統料理ですが、ポルトガルでも伝統料理ではないにしろ、食べられることが多い一品です。中身を開けるとジャーン!卵が入っています。
挽肉にタマネギのみじん切りしたものを混ぜ、卵やパン粉ななどをつなぎとして入れて作って行くのですが、これが美味しい!ポルトガルのスーパーにはスーパーの中にちゃんと肉屋さんのような肉コーナーがあり、そこで肉を選んで目の前で挽肉にしてもらえるので、挽肉でも安心して食べられます。
もちろん日本のスーパーのように既にパックにして売っている挽肉もたくさんありますが、少し探せばすぐにあるので利用してみるといいと思います。目の前でひき肉にしてもらえるのは本当に有難いです。
デザートはシンプルだけど美味しい卵ケーキ。ケーキ類は色々な添加物が入っていることが多いので、ポルトガルで手作りの素朴な味を食べると、こんな暖かい味があったのか・・・と毎回思います。見かけは地味でも味は最高。
日本でケーキ作りをする時は、皆見た目的にもゴージャスで「しっかりした」ものを作るというか、デコレーションも素敵な感じにされる方が多いので、家でケーキ作りをする人=スーパーワイフ!な感じがあると思いますが、ポルトガルの奥様は結構週末になるとよく焼いていて、見た目も普通に茶色だったり、材料を混ぜて焼くだけなシンプルケーキをよく作るので、手作りケーキが割と身近にあります。
このように、ポルトガルスタイルは全体的に見てシンプルで、所謂インスタ映えや写真映えはしないお料理も多い食卓ではありますが、ポルトガルの家庭料理の味は本当に格別!!!とにかく暖かみのある、そして日本人の舌に合うものが多いです。
ヨーロッパの料理や洋食を日本に持って来ると、オシャレなイメージを引き連れてやって来るのでイメージ的には近寄り難い感じになることもあると思いますが、ポルトガル料理は本当に気取らない質素で奥深い味がする料理が多いので飽きがこなくて最高です。
ポルトガル料理が気になる皆さん、是非ぜひポルトガルに足を運んでみてください。ポルトガルの食があなたを魅了してくれること間違いなしですよ。