アヤナザのポルトガル通信

小さな輸入会社のポルトドポルト(略:ポルト)を経営するアヤナザのポルトガルあれこれ。

ポルトガルのヴェネチア? アヴェイロのモリセイロ。

アヴェイロのスイーツとして有名なOVOS MOLESを食べに行った時のこと、アヴェイロはポルトガルのVENICEと呼ばれているので(笑)と言いますか、呼ばせようとしているので、そのゴンドラに乗って来ました。無理矢理にこじ付けたキャッチフレーズと思えなくもないですが、実際に運河はあり、歴史的な町なので、意外と面白かったです。(しかし、「ポルトガルベネチア」などと名乗ってしまうと折角のポルトガルの歴史的な町が安っぽいくなってしまうのでは・・・?)

 

こちらはそのアヴェイロといえば!のスイーツOVOS MOLES。

柔らかい卵という意味のオヴォシュモリシュのことはこちらOVOS MOLESから。

 

アヴェイロはポルトガルの中ぐらいの町らしからぬ、新しいショッピングセンターが街中にドーンとある英語圏のような作りの町。もちろん、昔栄えた町なので歴史的なエリアもしっかり残っていますが、街の規模に対しての新しい部分が大きく驚いたのが最初の印象でした。

 

 

アヴェイロは漁港があり、昔貿易が盛んに行われ栄えていたのですが、1575年に豪雨で運河の入り口が塞がってしまったことから衰退したと言われています。流れが止まってしまった川の水は腐ってしまい、伝染病などによってたくさんの方がなくなったそうです。悲しい歴史。その後町が復活しましたが、ポルトガルの主要都市はどこも衰退を乗り越えてきているのが面白い。

 

それでは早速、運河で乗れるゴンドラのご紹介。ここでは、モリセイロと呼びます。

 

この乗り場にある建物が立派だなと思うと、どうやらここは昔の検問所。乗り場の辺り一帯は新しく舗装されている感じだったので、少し残念な気持ちでいたら、このような歴史的な建物もあり、嬉しくなりました。

 

 

今は観光客を乗せる用になっている船は昔、塩や海藻、塩漬けされたバカリャウなどを運ぶ船だったそうです。

 

ジャングルクルーズのような船も発見。

 

 

8ユーロほど払って乗ってみたのですが、船が大きすぎるよね?・・・と思っていた通り、電動の音。見てみると、しっかりヤマハのエンジンを使っていました。割と大きいのです。笑 ちょっと興ざめでヴェネチアに誤った方がいいのではないかなんて冗談話には、もちろんなりましたが、地元の会社に貢献してくれていると思うと、少し嬉しいかな。笑

 

 

しかし、モリセイロ自体の作りはとても美しく、ヨーロッパからの観光客で船はパンパンでした。写真の奥に見えるように、運河には何台ものモリセイロが行ったり来たりしていて、どの船も観光客でいっぱい。ヴェネチアを思うとイメージが全くと言っていいほど異なるので、一度忘れて、アヴェイロの乗り物だと思って乗ると楽しむことが出来ました。

 

 

遠くに見える塩の山。そう、実はアヴェイロは塩田が昔からあり、塩が取れる町としても有名でした。一度、アベイロの塩も日本に輸入したいと色々と調べていたことがあったのですが、やはりアルガルベの塩の方が美味しく、私たちの舌には合っていたので、アヴェイロの塩の輸入の話はなくなってしまった。なんていうこぼれ話もあります。

 

雰囲気を出すために無理やり塗ったっぽい橋も観光客には大人気です。歴史的な建造物と聞きつつ、色合いが中米や南米のよう。

 

 

かと思えば16世紀を思わせる美しい建築も運河沿いや町の至る所にに見えてくるので、さすがポルトガル。昔港町として栄えていた面影はあるな・・・と感心しました。

 

 

塩の倉庫として使われていた場所や、ポツリと出てくるおしゃれなレストラン。お魚屋さんやマーケットなど・・・ヴェネチアとは違いすぎるぞ?と疑問と共に乗ったモリセイロの旅ですが、アヴェイロの町を運河沿いに把握でき、歴史を聞きながら目でその地を見ることもでき、思った以上に有意義な船旅になりました。

 

 

ポルトガルヴェネチア」なんてキャッチフレーズを付けてしまったが為に、最初は少し落胆してしまっていたのですが、さすがはポルトガル。栄光と衰退、そしてまた昨今の脚光を浴びている姿を、ものの数分で見せ楽しませてくれました。そして、やはりポルトガルポルトガルとして推してほしいと強く思いました。

 

こちらは運河沿いにある大きな陶器の会社。

 

衰退から町を取り戻した後、アベイロの産業には陶器も加わり、また活気を取り戻したのでした。昨今は完全に観光産業も右肩上がりだと思うので、このままアヴェイロの町がもっと栄えて行くと良いですね。

 

ポルトガルヴェネチアは間違った表現方法だと思いますが、アヴェイロにはアヴェイロのポルトガルらしい良さがあるので、ぜひアヴェイロに行った際はオーヴォシュモーレシュを食べて、町を散策してみてくださいね。運河沿いは半日もあれば歩けるサイズなので、色々なお店や建築物を見ながら散策してみる方が、モリセイロに乗るより面白いと思います。アトラクションとして楽しみたいのならば、ぜひ乗って見てくださいね!